20200930

「三人展」 -Natural Free Ceramics-

2020年、今年は「WILDWOOD」「TOKYO PLANTS WORLD」日本ブロメリア協会の「春のブロメリアフェスタ」など沢山の植物のイベントに出店予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で、春は緊急事態宣言が発出され、初夏は第二波懸念と、イベント自体が中止を余儀なくされてしまいました。しかし現在(20年9月)の社会情勢は「新しい生活様式」「with コロナ」へと移り変わり、感染の警戒はしつつも経済を回していかなくては…という微妙な緩和ムード。もちろん大規模のイベントや、地下など密閉空間での開催はなかなかに難しいものがありますが、小規模で、換気、殺菌、密を避けるといった感染予防を目の届く範囲でしっかりできる環境であれば開催しても良いのではないか?ということで、久しぶりに展示と販売をすることにしました。 今回は植物の合同販売イベントではなく、華道家の友人 萩原亮大くんのアトリエ「花萬界然」の二階にオープンするギャラリースペースで、陶芸家の友人Gentceramicsの横山玄太郎くんと三人で、それぞれの作品を展示・販売したりコラボレーションして何かを制作したりと、植物の販売イベントにはない面白いことをしたいと思っています。

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交配_2019_1





現在2月下旬。我が家のハウスは冬季の最低気温8度設定、日中晴れれば最高気温は30度くらいまで上がるのでディッキア達は11月〜4月までいずれかの株が開花している状況となります。おそらくディッキアはこの寒暖差で春を感じているのでしょう。逆に我が家の環境では夏に開花する個体は少ないです。もし開花しても夏は蟻がディッキアの蜜に誘われ、鉢をよじ登り花目指して大行進し始めるので、正確な交配ができません。なので虫のいない時期に咲いてくれるのは非常に有難いことなのです

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■成長過程での変化■

若かりし頃の友人(自分でもよいですが)を思い返して、あいつ小学生の頃運動神経抜群で、顔もカッコ良くモテモテだったのに高校入ってから全然イケてなかったなぁ…とか、幼馴染の女の子に成人式で再会したら誰だか分からないほど可愛くなっててドキッとした、みたいな経験ってありませんか? 歳を重ねて味のあるカッコいい親父になる方もいますし、人は「一番旬な時期」がそれぞれ異なると思います。また、本人は昔から変わっていないけど時代によって「イケてる」という枠に収まることもありますよね?いきなり何の話だよ!?と思うかもしれませんが、ディッキア含め、植物でもそういうのって多々あるなぁと、最近しみじみ思うのです。気に入っていたけど、大きくなってきたら大アジになってきて「思ってたんと全然ちがーう!」ってなる個体もいれば、地味だった個体がある時急に化けて一番のお気に入りになったり、そんなんを繰り返している気がします。ということで、今回は成長過程で変わるディッキアの顔についてのお話です。

20180928

■ Dyckia goehringiiを求めて ■

こちらは過去に何度かD.goehringii について書いた記事をまとめ、編集したREVISED(訂正版)になります。昔書いた記事は説明不足や誤字脱字(D.goehringiiのスペル間違ってたw)が 多かったのでそれらを訂正し、大幅に内容を増量しました。ほぼ全て書き直したに近い内容です。是非 読んでいただけると幸せ。


Dyckia goehringiiは、私がディッキアを好きになるきっかけとなった原種です。2014年の春、初めて海外からブロメリアを個人輸入した際に、なんとなくリストにあったD.goehringiiも買ってみたんですね。当時はBillbergiaが好きだったので、本当に「ついでに買ってみた」といった感じでした。届いたダンボール箱を開け、ドキドキしながら新聞紙に包まれた苗達を開梱していくと、鋸歯の跡がくっきりと刻まれた美しい葉と、鋭くカーブした大きな鋸歯の真っ白なディッキアに衝撃を受けました。「こ、こんな美しい植物がブラジルのどこかに生息しているのか!?」と。それがD.goehringiiとの出会い、そしてディッキア沼の扉でした。。この沼は深く、ずぶずぶと歩み進んでいるうちに、気づけば自分の身長より遥か深いところまで潜り込んでおり、最早どっちが前で どこに向かっているのかすら見えなくなっております(笑)。初めてゴエ様を手にしてからはD.goehringii について調べまくり、聞きまくり、集めまくりました。そして棚がD.goehringii でいっぱいになった時に気づいたのです。流石にこんな同じ種ばかりいらなかったと....(笑)スペースの都合でだいぶコレクションを整理しましたが、今もなお愛してやまないこの種をご紹介させていただきます。
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Dyckia sp. E-362 (Photo from Die Bromelie 2004_3)

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■ 学名・園芸品種名について ■

今回はディッキアを例に植物の「名前」について書かせていただきます。
私達は植物を買う際に、その植物が何なのか、鉢に刺さっている園芸タグや札を参考にしますよね?園芸タグは植物の名刺のような役割をしています。今回のトピックは園芸タグの正しい書き方にも繋がりますので、参考にしていただけたらと思います。





20171219

■ Dyckia入門_序章 ■

Dyckiaとは
Bromeliaceae(ブロメリア科)  Pitcairnioideaeピトカイルニア亜科) Dyckia(ディッキア属)に分類される主にブラジルに生息する地生種です。地生種=土に根を張って水分や養分を得る

_馴染みのない方は、アロエ、アガベの仲間と間違われがちですが、パイナップルの仲間です。余談ですが、うちの近所のおばちゃん達は何故か、自分の育てているブロメリア科の植物達を「サボテン」と言います。。こんな思いっきり葉っぱで構成されていて形状もまるで違うのに.....不思議です。パイナップルの葉の部分だけ見てみて下さい、ほら、ディッキアに見えてきたでしょ??逆にディッキアばかり見ているとパイナップルの頭を捨てれなくなります(笑)

_Deuterocohnia(デウテロコニア)Encholirium(エンコリリウム)Hechtia(ヘクティア)などの地生ブロメリアは見た目も性質も非常に近い属となっています。ちなみに「エアープランツ」と呼ばれるTillandsia(ティランジア)や、タンクブロメリアと呼ばれるBillbergia(ビルベルギア)やHohengergia(ホヘンベルギア)なども同じブロメリア科の仲間です。LOVEブロメリア!



20170912

■ 'Brittle Star' Blood ■



Dyckia  Brittle Star'  は 故 Bill Baker氏の最高傑作と呼ばれる D.dawsonii x ( D.fosteriana D.platyphyllaから生まれた交配種。BSI=Bromeliad Society International Bromeliad Cultivar Registerを見ると作出されたのは1998年と記載されています。FCBS=Florida Council of Bromeliad Societiesだと2001年となっていますが、どちらにせよこの世に誕生して約20年が経っているにもかかわらず、この色褪せないカッコ良さ!!原種同士の掛け合わせがメインで、今見ると地味な交配種ばかりであっただろう時代に このD. 'Brittle Star'がセンセーショナルだったことは容易に想像できます。

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Dyckia 'Brittle Star' (Photo from BCR)


こちらはBCR=Bromeliad Cultivar Registerに掲載されている登録写真。おそらくBryan Chan氏所有のもの、もしくは下のChanin氏の株の若かりし頃かと思われます。ディッキアは成長の過程で顔が変わるので、登録の写真はもっと沢山の写真を掲載して欲しいですね。